<概要>
本コンテストは、世界に向けて和太鼓芸能を発信できる人材の発掘・育成を主眼とするものです。優勝者には賞金または海外派遣助成費を提供。また、ワークショップも同時開催し、太鼓展示や情報コーナーを設置するなど総合的に和太鼓を学べる複合型イベントです。
<コンテスト要項>
- 部門/応募資格
- 大太鼓部門 高校生以上
・ 組太鼓部門(編成12名以内)①一般の部 ②青少年の部(小学生以上中学生以下)
- 各賞/各部門最優秀賞1、優秀賞1、敢闘賞1。
大太鼓部門、組太鼓部門一般の部最優秀賞には賞金もしくは海外演奏派遣助成費を贈呈。組太鼓部門青少年の部最優秀賞および各部門入賞チームには和太鼓贈呈
これは2002年にスタートした『東京国際和太鼓コンテスト』の開催概要と、募集要項、上位入賞者への表彰内容だ。今でこそさまざまな団体が太鼓のコンテストやコンクールを実施しているが、我々がこの事業を始めた2002年当時はこうした太鼓の競技会は皆無だった。「我々」とは、3年前に設立した財団法人浅野太鼓文化研究所と、この企画に賛同し共催・協力をいただくことになった東京新聞。1990年代以降も引き続いて上昇線を描いていた太鼓人気をさらに活発化する目的で、打ち手が演奏技術を競い、研鑽に意欲を燃やす手段として、世界中の誰もが参加できて各自の演奏レベルが実感できる太鼓コンテストはうってつけと考えたからだ。予想通り、第1回の開催を告知すると、太鼓関係者の間ではコンテストの話題でもちきりとなった。およそ3カ月の応募期間を経て、応募いただいた総数は200団体以上となった。予想以上の嬉しい反応だった。
コンテストでは、太鼓のワークショップやプロ演奏家のコンサートを盛り込んだ『和太鼓カレッジ』を同時開催。さらに2006年からは特定のテーマを設けて太鼓界の重鎮が演奏披露する『青山太鼓見聞録』を加え、太鼓を体験・チャレンジ・鑑賞できる"太鼓の総合イベント"『TAIKO JAPAN』を、会場となった東京の青山劇場がクローズする2013年まで継続した。コンテストで高位入賞を果たした挑戦者の中には、その後プロ奏者となって現在も活躍している打ち手がいるのは大きな収穫といえよう。
翌2003年、ケヤキの植林事業を開始。名づけて『夢の木植林計画』。太鼓の原木として最適なケヤキが年々入手困難となっている状況は以前記したが、ただ手をこまねいて悲観してばかりでは道は開けず、まず自分たちができることを始めようと思い立った事業だった。能登半島に80,000坪の山林を買い求め、社員総出で毎年ケヤキの幼木を植えた。1年に30,000本。社員たちは慣れない山仕事に戸惑いも見せていたが、いざ植林を初めてみれば、まるで大人の遠足。昼休みには、炊事班が現地で味噌汁を調理。ひと汗かいた後にみんなで食べた弁当の美味しかったこと。社員間のコミュニケーション向上にもひと役買ったように思う。幼木を植えても太鼓を作れるほどに成長するのは200年も300年もかかるのは承知のうえ。だが、200年、300年先に自分たちが植えたケヤキが太鼓になることを思うと、胸がふくらむ。ゆえに「夢の木」。この事業も10年間にわたり継続、2013年まで計30,000本のケヤキを植え続けた。
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